みどりに関する調査・計画
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森林現況調査・荒廃森林調査

 近年、各地で豪雨災害が多発しております。スギ林やヒノキ林などの人工林では管理不足による森林の荒廃が進行すると、倒木や土砂の発生源となり、下流域の災害の拡大原因ともなりかねません。
 そこで、多くの都道府県では森林環境税やみどり税などの名目で財源を確保し、こういった荒廃森林の現況調査(植生調査や毎木調査、荒廃状況調査、危険地調査など)をした上で、適切な森林整備計画を立案し、森林整備(間伐や除伐など)や治山・防災施設の整備などを進めています。  

荒廃森林の状況

 当社は荒廃森林の現況調査と森林整備計画の立案を数多く担当しており、森林整備計画を検討する際には森林の蓄積量や健全性の診断・評価のみならず、整備後の管理計画も含めた上で、適切な整備計画を提案させて頂いております。
 森林現況調査では調査面積あたりの立木本数やその形状(胸高直径、樹高など)を把握し、該当林分の基礎データを収集します。
 調査枠はポケットコンパスなどを用いて、面積算出可能な一定の大きさで設置します。次に調査枠内に出現する樹木を個体ごとに樹種、樹高、胸高直径、病虫害の有無などを記録します。
 また、湧水や小崩壊地などの荒廃地の分布調査や土壌調査などを併せて実施し、生態的観点と物理的観点の両視点から森林の現況を把握します。  

 

超音波樹高測定器による計測

樹木計測作業

  

 現地調査より得られたデータからは、森林の密度、蓄積量などが把握され、同程度の年数の経った同種林分と比較することで、診断・評価します。
 例えば、スギやヒノキの人工林は適切な間伐がされずに高密度となり、細長い形状となっている立木が多く見られます。林冠が覆われ暗くなった林内では草本層も発達しにくく、裸地となっています。
 このような人工林は風倒害や雪害などを受けやすく、面的に崩壊することもあります。
 1本1本の樹木を太らせ、経済的価値の高いものに仕立てると共に、林内の光環境を改善させて下層植生を豊かにすることで、防災的にも生物多様性的にも優れた人工林となります。現状の荒廃した人工林をその目標林に導くために、収量比数や形状比より適切な立木本数を算出し、伐採計画を立案します。   

人工林整備イメージ(整備前→整備後)

 

 山裾部や谷部には管理放棄された竹林が広がっていることがあり、隣接する植生にも侵入・拡大することで生物多様性の観点からも問題となっています。
 竹材利用林やタケノコ生産林として伐採・管理をすることが考えられますが、3〜5年間は再生竹対策を実施しないと元の荒廃竹林へと戻っていくことから、長期の伐採管理計画を立案する必要があります。   
  

竹林整備イメージ(整備前→整備後)

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